FREELYGEではコーヒー・お茶に含まれている健康成分に着目しています。
今回は、その中でもコーヒーに含まれる「クロロゲン酸」、緑茶に含まれる「カテキン」などの「ポリフェノール」
についてお話させていただきます。
近年、「ポリフェノール」という言葉をよく見聞きするようになりました。
しかし、ポリフェノールについて「よくわからない」という方も少なくないのではないでしょうか。
実際、ポリフェノールがどのようなものなのか、どんな効果があるのか、きちんと知る機会はあまりありませんよね。
この記事では、ポリフェノールがどのようなもので、私たちにどんな効果をもたらしてくれるのかをご説明します。
また、どのような食品や飲み物にポリフェノールが含まれているのかもあわせてご紹介していきますよ。
1.ポリフェノールとは?
そもそもポリフェノールとはなんなのでしょうか。
「よく聞くけど、そういえばポリフェノールがどんなものか知らないかも……」
という方もいらっしゃるでしょう。
さまざまな食べ物や飲み物に含まれていると紹介されているのを目にする機会は少なくありませんが、具体的にどのような成分なのか知る機会はあまりありませんよね。
そこで、まずはポリフェノールとは一体どのようなものなのかご説明しましょう。
「ポリフェノールは、ほぼすべての植物が持つ苦味や渋味、色素の成分です。花の色があれほど鮮やかで美しいのも、ポリフェノールの作用です。ポリフェノールには、化学構造の違いによってさまざまな種類があり、有名な『カテキン』や『イソフラボン』、『アントシアニン』などもその一種です。まだ研究中の成分も多いのですが、自然界には8000種類以上存在するといわれています。」
植物が持っている成分ということですが、食品にも多く含まれていますよね。
「ポリフェノール含有量の多い食品がいくつかあり、その代表的なものが赤ワインやコーヒー、お茶です。先ほどお話ししたように、ポリフェノールには悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑える働きがあるので、こういった食品を効果的に摂取することが健康維持につながると期待されています。」
ここでは、ポリフェノールを豊富に含む食べ物や飲み物と、その効果について解説していきます。
(1)赤ワイン
赤ワインはポリフェノールを豊富に含んでいると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
その種類も豊富で、赤ワインに含まれているポリフェノールは明らかになっているだけで500種類以上にも上ります。
赤ワインのポリフェノールには心臓病のリスクを低下させる効果があることで知られています。
ポリフェノールの抗酸化作用が心臓病の原因となる動脈硬化を防いでいると考えられているのです。
ただし、アルコールにはさまざまな健康のリスクも付いて回ります。
多く飲んだからといって健康が促進されるものではないことには十分に留意してくださいね。
(2)コーヒー
コーヒーにもポリフェノールが豊富に含まれており、代表的なものとしては「クロロゲン酸類」と呼ばれるものが挙げられます。
コーヒーの褐色や苦味、香りの元はこのクロロゲン酸類です。
クロロゲン酸類には抗酸化作用のほか、以下のようにさまざまな効果があることが分かっています。
【クロロゲン酸類の効果】
血糖値の上昇を抑制する作用
血圧改善作用
発がんを抑える作用
脂肪の吸収を抑える作用
普段の生活で口にすることが多いコーヒーには、このように体にうれしいたくさんの効果があるのですね。
(3)緑茶
緑茶に含まれる「カテキン」という成分の名前を聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。
カテキンは緑茶の渋みの元となっているポリフェノールで、全部で8種類存在します。
カテキンには以下のとおりさまざまな効果があることが分かっています。
【カテキンのさまざまな作用】
抗酸化作用
抗菌・殺菌作用
抗ウイルス作用
コレステロール低減作用
体脂肪低減作用
抗アレルギー効果
むし歯に対する効果
身近な飲み物である緑茶に、これだけさまざまな効果があるなんて驚きですよね。
カテキンによる効果を期待した健康食品やサプリメントなどが開発されており、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
普段ジュースなどを飲んでいるという方は緑茶に変えてみるだけで体にうれしいいろいろな効果が得られるかもしれませんよ。
(4)紅茶
紅茶の赤い色や渋みはポリフェノールによるものです。
紅茶のポリフェノールは強い抗菌効果があることで知られています。
紅茶の原料も緑茶と同じ「チャノキ」と呼ばれる植物の葉です。
「あの赤い色や渋みはどうやって作られるの?」
と疑問に思う方もいるかもしれませんね。
紅茶の赤い色や渋みの元となるポリフェノールは実はカテキンが化学反応を起こしたものです。
紅茶を製造する際には葉を摘んでから萎れて柔らかくなるまで置いておき、その後に葉を揉むという工程があります。
揉まれることによって葉の中の細胞が壊れると、カテキン同士が酵素によって酸化させられ、カテキン類が複数結合した「テアフラビン」や「テアルビジン」になります。
これが紅茶ポリフェノールの正体です。
テアフラビンにはむし歯菌に対する抑制作用や抗菌作用があるとされています。
また、紅茶のポリフェノールにはインフルエンザウイルスの感染力を奪う作用があるといわれており、マウスを用いた動物試験においてはインフルエンザ予防の効果も報告されています*1。
冬の寒い時期ホッと一息つきたいときには紅茶を飲めばインフルエンザ予防にもなって一石二鳥かもしれませんね。
ただしミルクティーにするとポリフェノールが牛乳のたんぱく質に取り込まれて感染力を奪う作用がなくなってしまうため注意しましょう。
ストレートやレモンティーで楽しむのがおすすめです。
(5)チョコレート、ココア
チョコレートやココアの原料であるカカオにもポリフェノールが豊富に含まれています。
カカオに含まれるポリフェノールは主に「フラバノール」や「プロシアニジン類」と呼ばれるものです。
フラバノールは心血管系の機能を健康に保つ作用があるとして注目を集めています。
また、フラバノールにはストレスを軽減したり認知機能を改善したりする効果が報告されています*2。
特にカカオの含有量が多いビターチョコレート(ブラックチョコレート)や純ココアはフラバノールの含有量が多いと考えられるでしょう。
おやつにはチョコレートを食べてポリフェノールを摂っておきたいですね。
(6)大豆
大豆もポリフェノールが豊富な食品の一つです。
「イソフラボン」という成分について耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
実はあのイソフラボン類もポリフェノールの一種です。
大豆由来のイソフラボンは女性ホルモンの「エストロゲン」に構造が似ているため、似たようなはたらきをすることで知られています。
エストロゲンは肌や髪の潤いを守ったり脳や自律神経にはたらきかけたりして女性の健康に大きく関わっている物質の一つです。
エストロゲンの分泌量は20〜30歳代をピークに歳を取るにつれて下がっていき、更年期にはホルモンバランスが崩れることによってさまざまな症状が発生します。
大豆に含まれるイソフラボン類は、のぼせ・ほてりといった更年期障害の症状の軽減に効果があるとされています。
3.ポリフェノールについて まとめ
近年、ワインやコーヒー・紅茶、チョコレートなどのポリフェノールを豊富に含んでいる食べ物・飲み物が注目を集めています。
ポリフェノールは紫外線などのストレスに負けないよう植物が生み出す物質で、食品の色や味の元にもなっています。
ポリフェノールが体に良いとされる理由としては、まず活性酸素を取り除く「抗酸化作用」が挙げられるでしょう。
活性酸素はしみやシワ、老化、動脈硬化などの生活習慣病、がん、免疫力の低下などの要因の一つとされています。
そのため、抗酸化作用のあるポリフェノールを豊富に含む飲み物・食べ物を摂取すると美容や健康につながると考えられるのです。
ポリフェノールが持つ多くの健康効果を得るために、いろんな食品や飲み物をバランス良く摂取してくださいね。